秋葉纏:静岡県袋井市
天狗様の引っ越し先
秋葉三尺坊大権現は浜松市の秋葉山(あきはさん)に祀られていましたが、明治の廃仏毀釈で神社に変わった秋葉山から引っ越した先が、袋井市の曹洞宗の禅道場、萬松山可睡斎(かすいさい)です。
可睡斎は元は東陽軒という名でした。家康の御前で居眠りをしてしまった和尚に「和尚、睡る可し(ねむるべし)」とかけた言葉から可睡斎と呼ばれるようになりました。秋葉総本殿の他に、本堂、僧堂、護国塔、輪蔵堂などいくつもの建物があり、瑞龍閣の天井画や襖絵、大庭園や日本一の大東司(だいとうす=トイレ)などは有料で拝観できます。境内を全て見るには4時間半かかるそうです。また、1,200体のひなまつり、牡丹まつり、風鈴まつり、秋葉の火まつりなどで一年中賑わいます。他にも家康が命拾いをしたという六の字穴や、下の池の端には330本余りの纏が奉納されている纏殿があり、扉のガラス越しに中を見ることができます。
地元の人々から「お可睡」と呼ばれて親しまれている可睡斎は遠州三山のひとつです。あとの二山も袋井市にあり、北東に位置する医王山薬王院油山寺は行基開山の真言宗の寺。孝謙天皇の眼病を治した目の霊山で、通称「あぶらやま」。そして高野山真言宗の別格本山の法多山尊永寺は「はったさん」と呼ばれ、厄除け団子が名物です。こちらは東南のエコパスタジアムの奥に位置しています。
2021年12月最中旅
画像2:秋葉総本殿
最中暦:12月
可睡斎の火祭り
火渡りや秘法などの火祭りの後、天狗面や長竹の松明などが続く松明道中も