ふくらすずめ最中:長崎県鳥栖市

 

鳥栖のすずめは黒い

鳥の栖(すみか)と書いて「とす」と読む地名の由来は奈良時代に遡ります。この地でいろいろな鳥を捕獲して飼いならし、朝廷に献上していたそうで、鳥屋の郷(さと)が変化して鳥栖となったとのことです。鑑賞用やさえずりを楽しむための鳥だったのでしょう。市の鳥も鳴き声が美しいメジロです。

その後鳥栖は九州で初めて鉄道が通った町のひとつとして栄えました。鳥栖駅は鹿児島本線と長崎本線の分岐駅で、蒸気機関車が頻繁に通るため、鳥栖のすずめは黒いと言われていたとか。今は操車場跡は緑まぶしい広場になっており、構内の地下通路「線路下のギャラリー」では鳥栖駅の歴史の写真が展示されています。また、線路の上に架かる通称「虹の橋」からは様々な車両の出入りが見られ、鉄道ファンの撮影ポイントになっています。

珍しい施設としては、サロンパスの久光製薬が運営する中冨記念くすり博物館があります。日本の薬の歴史や英国の古い薬局が展示され、薬草の庭を散策することができます。また、市内には長崎街道が通っており、鍋島藩の轟木宿と対馬藩の田代宿という二つの宿場があり、歴史を辿れる標識があちこちに立っています。

2024年5月最中旅
画像2:鳥栖駅操車場跡
画像3:くすり博物館の英国薬局

最中暦:12月11日
鳥栖駅開設
1889年(明治2年)九州鉄道開通に伴い開設された九州で最初の駅のひとつ

説明

最中と菓子舗

冬のすずめが寒さから身を守るため羽毛を膨らませた姿の最中です。厚みのある形の皮種につぶし気味の程よい甘さの小豆餡が入っており、形が同じ小さいサイズは子すずめ最中と呼ばれています。大250円・小150円+税

水田屋
佐賀県鳥栖市本町1‐970 0942‐82‐2071 第2・4木曜定休
駅正面から400mほどの本町信号の角で、壁にはふくらすずめ最中の大きな文字があります。カラフルな彩すずめや季節限定餡もあるようです。宿場まんじゅうやおはぎの他、ブランデーケーキやシュークリームなどの洋菓子もあります。隣に2~3台駐車場あります。駅前のフレスポ鳥栖にあった支店は2023年11月に閉店しました。