ひめます最中:秋田県鹿角市

 

明治38年秋、湖面にさざ波が立った

ヒメマスはサケ科の淡水魚で北海道の阿寒湖に生息していました。支笏湖への移殖に成功してから、本州のいくつかの湖にも移殖されました。魚がいないカルデラ湖である十和田湖への移殖に成功したのは鹿角市の和井内貞行氏です。孵化場を作り、明治36年に稚魚を放流して2年後の秋、静かな湖面にさざ波が立ち、岸に向かってきました。成魚になったヒメマスが戻ってきた瞬間でした。それまで干物ばかりだった鉱山労働者の食事に新鮮な魚が供され、釣り人や観光客が訪れる湖になったのです。

十和田湖は青森県と秋田県にまたがっており、青森側には湖水が流れ出る奥入瀬渓谷や遊覧船乗り場、2つの半島があります。秋田側には静かなホテルが点在し、昭和天皇が散歩されたという「陛下のさんぽ道」があります。

小和田湖から南の鹿角市街へ向かう途中には、日本のストーンヘンジと呼ばれる大湯環状列石があります。2ヵ所ある環状列石のまわりはきれいに整備され、縄文の雰囲気を損なわないよう、解説板やトイレ、駐車場は少し離れたガイダンス施設の大湯ストーンサークル館にあります。施設内の有料エリアでは出土品の土版などが展示されています。近くの道の駅おおゆでは土版のキャラクター「どばんくん」のグッズが手に入ります。

2023年5月最中旅
画像2:発荷峠からの十和田湖
画像3:大湯ストーンサークル

最中暦:9月下旬
十和田湖のひめますが養魚場へ回帰
1903年に放流した稚魚が1905年に成魚となって帰ってきた

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説明

最中と菓子舗

ひめますを模った最中は2種類の餡があります。青字の帯がかかったのは程よい甘さで瑞々しい小豆餡。桃色のほうは白餡に桃が入った桃餡ですが、桃がピューレになっているせいか、果肉感がないので柔らかい白餡のような感じです。1個140円+税

芳徳庵
秋田県鹿角市十和田毛馬内字城ノ下18-1 0186-35-4398 水曜定休
十和田南駅や十和田インターから1kmほど北です。大福やどら焼きなどの和菓子がありますが、当日分しか作らないというワッフルが評判の店です。鹿角市花輪と秋田市にも支店があります。駐車場は信号の南の角に10台分あります。