深海もなか：静岡県沼津市

日本一深海に近いまち

駿河湾は深度2500メートルと日本一深く、2位の相模湾との差はなんと1000メートル。沼津市は駿河湾の奥に位置するのですが、駿河トラフが湾の奥まで延びており、目の前の海で多くの深海魚が獲れます。

深海に棲む世界最大の甲殻類タカアシガニで有名な戸田（へだ）港には駿河湾深海生物館があり、深海魚まつりや深海魚撮影会が時折開催されています。沼津港には深海水族館シーラカンスミュージアムがあり、みなと新鮮館前の通りは観光客でいっぱいです。また、季節や曜日、時間が限定されますが、木造和船の渡し舟が狩野川河口の我入道（がにゅうどう）から沼津港を経由して中心市街地のあゆみ橋まで運航しています。少し南には沼津御用邸の記念公園もあります。

我入道は、川端康成の次に日本ペンクラブの会長を務めた芹沢光治良の生まれ故郷で、我入道公園には記念館があります。自伝的小説「人間の運命」の幼少期はこの地が舞台になっています。網元の家に生まれますが、両親が新興宗教に全てを捧げ、出て行ってしまいます。大正から昭和前期の太平洋戦争や関東大震災の時代の読み応えがある13巻前後の大長編です。

2022年8月最中旅
画像2：沼津港側から見た我入道の渡し場付近の狩野川
画像3：牛臥山公園から沼津御用邸公園を望む

最中暦：12月
生きたシーラカンス発見の日
イーストロンドン博物館の学芸員マージョリー・コートネイ・ラティマー氏